公的年金の給付水準を考える

公的年金は、毎年入ってくる保険料・税金と運用益で給付を賄っており、以前は積立金は増え続けていたが、最近は、長寿化や団塊世代の大量退職の影響で、毎年の収入だけでは給付が賄えなくなってきた。 2012年度の厚生年金と国民年金の給付の合計額は 45兆円。これを賄うため、公的年金を運用する GPIF は、8兆8千億円の年金資産を取り崩すという。そのため、 保有する国債を市場で売却し現金化するそうだ。 政府は公的年金の運用利回りを長期的には 4.1%という いわば、現実離れしたところで、年金の給付と負担の計画を立てている。世界的に株価が低迷した 2011年度においては運用益を出すことさえおぼつかない。さらに、10年国債利回りが 1%前後に低下しているのだから、4.1%の予定利回りを改めるべきだ。  そして、国民に対して年金財政の現状を明らかにし、公的年金の収入に見合った給付水準に改めるべきだ。