減速する中国の経済成長率

中国は 30年余りにわたって 10%成長を続けてきたが、今後、中長期的な成長率は低下の方向だ。世界経済のけん引役となってきた中国景気の減速懸念だけに、気になるところだ。 中国は過大な投資で国内需要を上回る生産能力をつくりあげ、輸出を テコ に世界第 2位の経済大国にのし上がったのだが、都市と農村の収入格差は 3倍に開き、不動産価格は高騰するばかり。高速成長のなかで効率の悪い企業も温存され、経済社会の歪みは膨らんだ。 今後、外需不振による成長鈍化も考えられるが、2008年のリーマン・ショック の直後に実施した 50兆円にも及ぶ大型経済対策を打ち出す気配は今の中国にはないという。 少子高齢化で労働人口は 2013年に減少に転じると言われるなか、金融政策や減税などの施策を組み合わせ、内需主導型の経済に転換する道を探っている。 ギリシャ に端を発した欧州危機が長引くなか成長維持は容易ではない。「いま 重要なのは投資の合理的な伸びの促進」というが、そのためには、内需拡大による成長モデル に転換する必要がある。 バブル やインフレ を押さえつつ、政策金利を引き下げながら、安定成長を維持するのは容易なことではないといえる。